いつの時代も、お客様の声と共に

いつの時代も、お客様の声と共に

 現在、私たちはアサメリーを始めとするアイテムをインターネット通販で直接お客様にお届けしていますが「アサメリーは百貨店で購入するもの」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。今回は、百貨店と共に歩んできた、私たちの販売の歴史を振り返ってみましょう。

 百貨店の始まりは、明治時代まで遡ります。1904年(明治37年)に三井呉服店から転進した株式会社三越呉服店。みなさんもよくご存じの三越が、日本初の百貨店です。そのほか、髙島屋や松坂屋、大丸なども呉服店から転進。いずれも履物のまま売り場に入れるようになったことが大きな特徴でした。その後、電鉄会社が手掛ける百貨店が登場。1929年(昭和4年)、大阪梅田にオープンした阪急百貨店は、東洋初のターミナルデパートと言われています。

 その頃の百貨店は、品質の良い商品がずらりとならび豪華で時代の先を行く存在。当時アングルは、品質と先進性を大切にする自社のイメージと重なる部分があったことから、百貨店と取引できるよう積極的に働きかけました。その結果、1928年(昭和3年)には三越本店と、1930年には阪急百貨店との契約が成立。アングル製品は東の名門と西の精鋭、その両方から認められたのです。

 百貨店にアングル製品が並ぶようになると、お客様の好みが売れ行きという形ではっきりと表れるようになります。また、売り場の店員を介してお客様の声が届くようになるなど、作り手とお客様の距離がぐっと近づくきっかけとなりました。

 これまで私たちがお客様からいただいたご連絡やご意見は多岐に渡ります。たとえばある時は、大阪 御堂筋から何度もお電話をくださったお客様がいらっしゃいました。

A百貨店では取扱いがないのか」

B百貨店にも行ったけどなかった」

なんと、百貨店をはしごしてアングル製品を探してくださったというのです。ご不便をおかけして申し訳ないと思いつつも、求めてくださる方の存在がありがたく、改めて誇りに思えたものでした。

 またある時は、20年近くアングル製品を愛用いただいているお客様からこんなお電話をいただきました。

「京都の百貨店まで足を伸ばしたのに、新しい柄の商品が置いてなかった」

実はその頃、社内ではインターネット通販の導入について検討を始めていました。しかし、昭和初期から百貨店での販売を主軸としてきたアングル製品の「百貨店に並ぶ高級肌着」というイメージが変わってしまうことへの不安から、なかなか踏み出せないでいたのでした。そんなときに後押しとなったのが、先ほどのようなお客様の声。アングル製品を選んで愛用してくださるお客様のお手元にご希望の商品を確実に届けるために、インターネット通販をスタートすることにしたのです。

 今ではインターネット通販に加え、フリーダイヤルを設けて電話での販売も行っています。それは、百貨店の売り場から始まったお客様との交流を途絶えさせたくなかったから。商品を届ける方法が変わっても、お客様の声に耳を傾け商品づくりに繋げていく、私たちの姿勢は変わりません。