「麻に似て、麻にも勝る肌触り」誕生時から続くアサメリーのこだわりとは

「麻に似て、麻にも勝る肌触り」誕生時から続くアサメリーのこだわりとは

 2023年に70周年を迎えるアサメリー。時代を超えて、たくさんの方々に愛されてきました。今回はアサメリーの誕生にスポットを当ててみましょう。


 アサメリーの商品コンセプトは、名前の由来にもなっている「麻加工メリヤス」です。アングル製品の歴史を遡ると、その言葉が最初に登場したのは大正6年。麻のようなシャリ感のある紳士用綿ニット肌着の試作品につけられた、社内での呼び名でした。

 夏と言えば、麻素材でできた前開きの織物肌着「クレープ肌着」が定番だった時代。麻は通気性が良くとても涼やかですが、経糸と緯糸がしっかりと組み合ってできる織物のため、伸縮性がありませんでした。また、肌に直接触れるとチクチクしたり、生地の表面にムラがあったり、洗濯方法が難しかったりと、肌着に使うにはデメリットの多い素材です。

「もっと脱ぎ着しやすく、フィット感のある肌着をつくりたい」

 素材を麻から綿に替え、織物ではなくメリヤス、つまりニットの肌着を…。こうして理想の肌着づくりに向けて動き出したのが、現在まで続くアサメリーの出発点でした。

アサメリーの生地


 「麻に似て、麻にも勝る肌触り」

 目指したのは、綿で麻のような涼やかな質感を生み出すこと。ニット生地には甘く撚った糸を使うのが常識だった時代に、当時のアングルの開発者はより強く撚った糸を使うことを考案。糸は撚れば撚るほど細くなり、シャリっとした肌触りになっていきます。どの種類の、どんな太さの糸を何回撚れば理想の質感が生まれるのか、試行錯誤が続きました。

 たとえばタオルなどで「無撚糸」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。とても柔らかいのが特徴なのですが、それは糸を撚っていないから。一方、アサメリーの糸は強く撚っているため、必然的に硬くなります。本来であれば肌触りも悪くなってしまうところですが、繊維長が長くしなやかな原料を使用し、撚った糸をガス焼き、毛羽を落とす工程を加えるため強く撚っていても心地良い。そのバランスこそがアサメリーの真髄です。

アサメリーと普通糸の比較画像

 また、撚りの強い糸は扱いが難しく、傷をつけずに編み立てるには技術が必要です。アサメリーの開発にあたっては、このオリジナルの糸を編み立てるために編み機を工夫することにも力を注ぎました。長年に渡る研究と職人たちの努力の結果、高温多湿な日本の夏にぴったりの肌着、アサメリーが誕生したのです。

 糸を強く撚ったことで麻のような爽快なシャリ感がもたらされたことはすでにご紹介しましたが、強い撚りがさらなる特徴を生んでいました。撚られた糸が毛管現象を引き起こし、汗を吸い上げて空気中に発散させるのです。アサメリーは爽快感のある肌触りと汗を発散する機能性、その両面において夏にぴったりの肌着と言えます。

 一度試すと手放せない快適な着心地と独特の風合い。これこそが、アサメリーが長年多くの方に愛されてきた所以です。そのため、私たちは発売から70年経った今も、アサメリーの風合いと着心地を守ることを何よりも大切にしています。時代の流れと共に原料の価格が上がり、これまでと同じ価格で提供することが難しくなっても、価格を据え置くために原料のランクを下げることはできません。


 発売から70年。快適な着心地をお客様に提供してきたアサメリーの歴史を受け継ぎ、私たちはこれからも、その高い品質を守り続けていきます。